スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日本の風景・西欧の景観―そして造景の時代



著者オギュスタンベルクは地理学を専門とするフランス人である。日本での教職活動も長く、西欧と日本を比較することで日本の風土学を発展させた。この本も、人が風景というものをどう捉えてきたかを時間軸に沿って、西欧と日本、2つの視点から論じている。和辻哲郎の「風土」をもっと実践的に見た本という印象。


 個人的に面白かったのは第六章「都市から都市風景へ」
隅田川とセーヌ川は姉妹河川である。しかし、人がこの川に対して行ってきたアプローチは真逆である。セーヌ川はパリの魅力としての位置を保っているが、隅田川は東京のもっとも情けなくて醜い場所になってしまったと筆者は言う。川に対し、セーヌ川は建築的・記念碑的な扱いを受けてきたが、江戸っ子は隅田川にそれらを求めたりせず、自然な土手を求めてきた。しかし、高度成長期に入りその土手は高速道路になってしまったり、民間に売られたりと川に近付けない状態になっている。

自然を征服して風景を造ってきたヨーロッパと、自然をそのままに近い形で風景を造ってきた日本。そのままにしたが故に河川や湾岸、運河は整備がしやすい。20世紀の経済第一主義が古来からの日本人としての精神を忘れさせ、風景を一気に破壊してしまった。近年、環境重視の声でこのような過ちをしないような動きはあるが、一度失ってしまったものを取り返すのは難しい。大阪の道頓堀なども頑張ってはいるが、新しく整備されたものがどうも上辺だけの美しさに移ってしまう。


最終章で造形の時代の幕開けについて語っている。環境が少しずつ芸術作品になってきていることを、肯定的に論じている。この本が出版された1990年から20年近くたつが、間違いなく環境というキーワードが叫ばれることは多く、ランドスケープは着目されるようになってきたのではないでそうか?(20年前のことは知らんけど。。)より良い環境に暮らしたいというのは昔も今も変わらず、良いの定義が時代や風土によって全然違うという認識を深めました。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yagi ryosuke

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
FC2カウンター
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
本・雑誌
2254位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
1182位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。